都市ガスは電気・水道と並び、地域を支える重要なライフラインの一つです。その都市ガスを安定的に供給することが、広島ガスの大きな「社会的責任」です。そのため原料である液化天然ガス(LNG)の調達・輸送から都市ガスの製造・供給に至るまで、国際情勢、エネルギー市場の動向および業界の動きなどを注視しながら、さまざまな施策を講じています。
都市ガスの原料
都市ガスの主な原料「天然ガス」は世界各地に豊富に存在し、可採年数は約50年と言われ、中東地域以外からも確保が可能なエネルギーです。わが国の都市ガス事業者は、主に環太平洋諸国から長期契約に基づいてLNGを輸入し、安定供給に努めています。
LNG安定調達に向けた取り組み
LNG調達先の多様化
近年、世界的規模で天然ガス需要は拡大していますが、当社においても都市ガスの需要増に対応するため、LNG調達先の多様化を図っています。2016年以降のLNG調達は、サハリン(ロシア)、大阪ガス(株)、マレーシアからLNG売買契約に基づき、年間約40万tのLNGの調達が可能となっています。
また、広島ガス初の海外拠点となるシンガポール事務所を活用したシンガポールおよび周辺諸国でのエネルギー関連市場の情報収集などを通じて、将来のLNGの安定調達などに努めていきます。
中国電力(株)との相互協力協定
地域における効率的かつ安定的な天然ガス普及を図るため、LNGの調達において、中国電力㈱と相互協力協定を2006年6月に締結しています。
LNG輸送の効率化と輸送費低減
LNG輸送の効率化と輸送費低減を図るため、東京ガス(株)および東京エルエヌジータンカー(株)とLNG共同輸送契約(2020年度から2027年度までの8年間)を2020年2月に締結しています。
都市ガスの製造
廿日市工場、備後工場、東広島製造所で都市ガスを製造しており、LNGの受け入れ、ガスの製造などについては中央制御室で集中的にコントロールしています。また、毎日の設備点検、定期的な保守や有事に備えた訓練を行うことで、安全かつ効率的に都市ガスを製造する体制を整えています。
都市ガスの供給
保安指令センターでは、工場で製造した都市ガスをお客さまのもとへ安定してお届けするため、都市ガスの圧力、輸送状況などを常時監視しています。また、緊急時に備えて、夜間、休日でも迅速に対応できるよう24時間受付、出動できる体制を整えています。